循環型社会の形成に向けた水道用ダクタイル鉄管(水道管)のリサイクルシステム構築に関する共同研究開始

POINTS
水道水の安定供給と資源循環・脱炭素の両立
「水道水の安定的な供給」という観点から、地震や気候変動による大規模災害に強いライフラインの構築は急務であり、各自治体では、配水施設や基幹となる水道管路の更新による耐震化を積極的に進めています。
一方で、水道管路の更新時に使用済みの水道管が大量に発生するため、資源循環や脱炭素といった社会課題に対応するためには、サーキュラーエコノミーの考え方が重要となります。

大阪市水道局様との共同研究によるサーキュラーエコノミーの実現構想
大阪市水道局様と当社グループは、使用済み水道管の有効なリサイクルシス テムの構築を目的に2023年11月より共同研究を開始しました。
使用済み水道管の多くはリサイクル性に優れた鋳鉄およびダクタイル鋳鉄が使用され ており、鉄スクラップとして国内外で広く流通はしているものの、最終的にどの ような製品にリサイクルされているか不透明な状況です。
このような状況からサーキュラー エコノミーの観点で使用済み水道管を再び水道管の製造に用いる原材料として水平リサ イクル可能なシステムが構築できれば、効率的な資源循環が可能となります。
水道管は土中に埋設されていることがほとんどであり、使用済みの水道管の表面には土砂などの不純物が多く付着しています。資源と有効利用するには、一般に付着物の除去処理が必要です。しかし、当社が保有する鋳鉄溶解炉「キュポラ」は、このような不純物 を除去する精練機能があり、使用する原材料の制約が少ないという特徴があります。
そのため、使用済み水道管について も必要最低限の除去処理にて原材料としての資源化が可能となるメリットがあります。 本研究を通して、使用済みの水道管の水平リサイクルシステムを構築し、サーキュラーエコノミーによる循環型社会を実現し、持続可能な水ライフラインの構築に貢献いたします。